ウェルケアの軌跡

1.創業は、埼玉県所沢市の商店から。

株式会社 有楽の創業は昭和50年、現社長の母と祖母とで始めたわずか数坪の小さなパン屋にさかのぼります。開業した地名「所沢市北有楽町」から「有楽商店」と屋号をつけ、パンと化粧品・生活雑貨の販売を始めました。創業者・葛城 喜良(現社長の父)は当時、熱海へ単身赴任中であったため、3人の息子を育てながら、母と祖母との女手で店を切り盛り。当時小学生だったという現社長(創業者の二男)は「おやつにはパンが食べ放題で(笑)」と振り返ります。地域の皆さまの身近な商店として開業より20年余りご贔屓いただきました。

2.「豊かな休暇を届けたい」一念発起で、伊豆高原へ。

創業者の葛城喜良は、某皇族の専属ハイヤー運転手として熱海に勤務していました。昭和40年代、熱海は新婚旅行や社員旅行の定番として賑わった時代。仕事柄、伊豆方面にも頻繁に訪れ、伊豆急行線が開通したばかりの「伊豆高原」に新しい可能性を見出していました。
42歳となった年、20年以上勤めた会社を辞め、いわゆる“脱サラ”で、伊豆高原に土地を購入。ペンションの開業に着手しました。今では30軒以上のペンションが居並ぶ伊豆高原ですが、当時はまだ、たったの2軒だけ。沢松和子・アン清村ペアのウィンブルドン女子ダブルス優勝から、ジミー・コナーズ、ビョルン・ボルグ、ジョン・マッケンローなど世界のスター選手に注目も集まり、世紀のテニスブームが巻き起こる中、創業者・喜良はテニスコート付きの宿泊施設に徹底してこだわりました。

3.“テニスコート付きペンション”にこだわった先見の明。

昭和56年、2年あまりの準備期間を経て、ペンションロブィング(現リゾートホテルロブィング)を開業。宿泊30名、屋外ハードコート1面からのスタートでした。ペンションとはつまり、 「洋風民宿」ですから、ホテルより低価格に利用でき、家庭的なサービスと共通の趣味を持つ宿泊者同士やオーナーとの語らいも楽しみのうちと期待されます。そこで創業者・喜良は、大好きなゴルフの代わりに自らテニスを習い、1年間の特訓を経て、開業の日を迎えました。
その後、約3年ごとに設備を増設。テニスコートを増やし、屋内コートも設けるなど、創業者の先見通り、テニス好きのお客様の支持を得て順調に拡大してまいりました。

4. 日本テニス協会の公認大会の会場となるまでに成長したホテルロブィング

現在リゾートホテルロブィングは、本館28室(90名)、別館10室(34名)の客室と、コテージ3棟(48名)、計172名収容可能な宿泊施設として運営しております。テニスコートは屋外コート8面、屋内コート4面の計12面を備え、他に100名収容の大宴会場、ゼミ用会議室、バーベキューコーナー2台も設置。伊豆の群発地震でお客様の足が遠のくなど、困難な時期も乗り越え、多くのリピーターのお客様にご利用いただいております。テニススクールのキャンプ、大学生のテニス合宿やゼミ合宿など、団体のお客様から小グループのテニス旅行まで。創業者・喜良が「テニスを身近なスポーツに」と込めた思いが今も生き続けています。また支配人を始め、ホテルスタッフは全員テニス好き。テニスプレーヤー同士、お客様と気持ちを分かり合える目線でのサービスを開業以来貫いています。
平成13年以降、日本テニス協会の公認大会の運営会場や、テレビ番組のロケ地としてもご利用いただき、認知度も定着してきたのではないかと自負しております。

5.「人のためになる仕事を」お客さまの一言から、老人ホーム事業に着手。

所沢の商店を平成9年に売却し、ホテル運営に専念していたころ、創業者・葛城 喜良が、当時関わりのあったお医者様からある助言を受けました。
「葛城さん、人のためになる仕事をしたら如何ですか?」
時代はちょうど高齢社会に突入した直後のことでした。創業者・喜良はこの一言にいたく共感し、ホテル経営で培ったサービス、食事、運営ノウハウを生かした新しい事業展開を考え、気候も温暖な伊豆高原の立地を最大限に生かせる施設として「介護付有料老人ホーム事業」を計画しました。
ペンション・ホテル経営の経験はあるものの、高齢者施設の運営はまさに初めての挑戦であり、医療・介護などの知識を得るところからの再スタート。それでも「人のためになる」「人生の最終章を預かる」「社会に貢献する」ために、全力での取り組みを続け、平成14年12月、介護付有料老人ホーム ウェルケア伊豆高原を開設するに至りました。

6.開設を見届けて、同年、創業者が他界。

ウェルケア伊豆高原のオープン直前、創業者・喜良は立ち上げの過労から体調を崩し寝込んでいましたが、それでもオープニング・セレモニーに出席し、挨拶もさせていただきました。 しかしその1週間後、念のためにと検査を受けた病院で癌と診断され、余命6ヶ月と宣告されました。
ペンション開業から20余年、常に新しい着眼点とよりお客様に喜ばれ、満足されるサービスを追求してきた創業者・喜良が、最後に到達した「高齢者施設」の運営は、喜良自身の夢でもありました。本人の強い希望通り、最後の最後まで現場に立ち、生涯現役のままこの世を去りました。

7.想いを受け継ぎ、新経営陣で新たなスタートを。

新社長には創業者の二男、現社長の葛城武典が就任。ウェルケア伊豆高原の施設長として新たなスタートを切りました。高齢者施設の運営実績のないゼロスタートではあったものの、経験豊富な介護スタッフの協力も得ながら、少しずつご入居者様に受け入れられていきました。当時36歳だった現社長は、「私はまだ若いです!私があなたを最後までお世話しますから」と、まさに体当たりの姿勢が皆さまにご理解いただけたのでしょう。オープンして約1年で満室となりました。

8.お元気な方から重度の介護が必要な方まで、快適な暮らしを目指して。

開設当初は、お元気な方のご入居が多かったのですが、実際に施設を運営していくと、重度の介護が必要な方も増え、日々のケアを中心に、看取りまで行う施設になっていきました。中には特殊な医療処置が必要な方もいらっしゃいます。老人ホームの中には、医療処置の度合いによって受け入れができないという施設もありますが、ウェルケア伊豆高原では、ご入居希望をいただいた方にはできる限りの方法を考え、こちらでお暮しいただけるようにと努力しております。今ではこの地域でほかにない介護力、看取りの実績が培われたと思っています。

9.ウェルケア伊豆高原開設より12年を迎えて。

施設で養った介護に対する思いやサービスを、地域の皆さまにもご提供できたらと考え、数年前から訪問介護事業をスタートしました。また、美味しく栄養バランスの良い手づくりの食事へのこだわりを、施設の外にも届けたいと、近隣のデイサービスへお弁当の配達事業も開始。医療食、特殊食にも可能な限り対応しています。
創業者が残した「楽しく、仲良く、元気な暮らし」という施設理念を今も受け継ぎ、お身体の様態を問わず、穏やかに、ごく自然体の毎日を安心してお過ごしいただけるよう今後もスタッフ一同、一層の努力を続けてまいります。